とんびにさらわれた


午前中いっぱい外出、
子も遊んで満足、こてん、と寝ちゃったから
ゴハンにしちゃえ! と、
寒空だったけどベンチでもぐもぐ。


片手にパン持って
ふんふんふん、っと子をゆすって
足バタつかせて
ゴキゲンしてた。


公園の、ちょっと高台みたいな
目立つところのベンチで。


自転車に乗った
ハツラツとした感じのおばさまが
ニコッ、としながらひとこと、
『とんびにさらわれるから気をつけて〜〜』


えー、っと思ったその瞬間!


バサーッというすごい音が耳元で。


手元のパンがビニルごと、
すっかりと消えていた。


前方、すでにはるか彼方に
黒っぽいおおきなトリの姿が・・・


『わ、ほんとだ!』


声がけしてくれたご本人さえ
びっくりで目がまんまるになっていた。


いったい、いつから狙ってたんだ!
半分ぐらいしか食べてなかったのに
とられちゃったよ。
子の頭もかすめられちゃった感じ。
あっぶない、あぶない。


とんびにあぶらげさらわれる・・・


あぶらげじゃなくて、
ちょっとあぶらっぽいパンだったけど。


しっかし、ものすごいタイミングだったな。
おもしろすぎて
残りのパンで
とんびと闘ってみようかと思ったけど、
子を抱いていたので、次回。


いや、でも、ぜったい負ける。
アブナイよね。
すごいすばしっこさとクチバシの力だったもの・・・